エピソード紹介♡同じ苗字になりたくて。涙を流したプロポーズ
付き合い始めて3年半が経つ私たち。同棲はしているものの、結婚という言葉は耳にすることはなく。
29歳という年齢もあり、周囲の友達も次々と入籍していき、「おめでとう。良かったね」と祝福しながらも、心の中では羨ましく思っていました。
(このまま彼と付き合っていてもいいのかな・・)
先が見えずに、不安に潰されそうになることもありました。
そんな中、彼の友人夫婦が近くに飲んでいるということで、お誘いの電話が。
久しぶりに会った友人夫婦は今の私から見ると余計幸福感に溢れているように見えました。
彼の友人たちが、「2人はいつ結婚するの?まだしないの?」と無邪気に質問をしてきて、私は精一杯笑顔を作ってごまかしました。
きっと顔は強ばっていたでしょう。ふと、隣の彼をみると困ったような顔で黙っていました。
楽しいはずの飲み会も何だか苦痛になってしまい、それから私は共通の友人達の飲み会には顔を出さなくなってしまいました。
そんなある日、2人で地元の飲み屋に行っていた時のこと。
彼を責めたいけどぶつかる勇気もなく、モヤモヤしていた私は気付くと水のようにお酒を飲んでいました。
店から出た後、夜の土手を二人で歩きました。
(フラフラしてまっすぐ歩けない。体中がすごく熱くて湯気が出ているよう。)
そんな私を見た彼が「おーい。田中さん大丈夫ですかー」とふざけて私の苗字を大声で叫んできたんです。
それを聞いた途端、私の中で抑えていたなにかが、一気に吹き出しました。
気付いたときには「いつまで私は田中さんなんですかー?」と叫び返していたんです。
ずっと抑えていた感情。想いを吐き出したらすごく楽になりました。
すると彼はいつになく真剣な表情をして私の方に走ってきて、手を取りこう言いました。
「待たせてごめん。不安だったよね。本当にごめん。結婚しよう。俺と同じ苗字になって下さい」
その言葉を聞いた途端、涙が止まらなくて子どものように泣いたことを覚えています。
そんな私を見て彼もなぜか泣き始め、2人で抱きしめ合いました。
私が不安になっていたことを知っていたこと。仕事が忙しく、プロジェクトが終わってからプロポーズをしようと思っていたこと。本当は誕生日にプロポーズしたかったものの、勇気が出なかったこと。
彼のいろんな気持ちを知って、彼なりにいろいろ考えて悩んでくれていたことを初めて知りました。
それから家に帰ると、彼が棚の中から一枚の紙を出してきました。そう。婚姻届です。
もう彼の欄は既に埋めてあり、あとは私の欄だけ。
いつ書いていたのか、一緒に暮らしていたのに全く気づきませんでした。
それから翌日、婚姻届を提出しにいき、やっと夫婦になることが出来ました。
大好きな彼から大好きな主人になり、そんな大好きな主人の苗字を名乗ることが出来て今とっても幸せです。